海軍電波探信儀関連機材
Navy Radar Related Items

・海軍2号2型電波探信儀用マグネトロン
・海軍1号1型電波探信儀同期信号発生機・選択機
 (指示機)
・海軍1号2型電波探信儀測波機
 (ヘテロダイン周波数計)
・海軍4号3型電波探信儀選択機(指示機)
・海軍電波探知機(逆探)E-27受信機

・19試空1号電波探信儀12型

・Navy Mark 2 Type 2 Radar(Magnetron Tubes)
・Navy Mark 1 Type 1 Radar

 (Sync.Puls Genarator & Scope)
・Navy Mark 1 Type 2 Radar(Frequency Meter)
・Navy Mark 4 Type 3 Radar(Scope)
・Navy Radar Detector E-27 Receiver

・Experimental Model 19 “Ku” Mark 1 Type 12 Radar Set


海軍1号1型電波探信儀
Navy Mark 1 Type 1 Radar

本機材は海軍電波探信儀1号機、陸上設置対空警戒用レーダーとし大戦終了迄内外各地で使用された。
上記の写真は昭和18年、千葉県太東実験場に設置された1号1型電探。


仮称1号1型電波探信儀同期制御機
設置場所:海岸、要地
有効距離:編隊250Km、単機130Km
周波数:100MHz帯
送信尖頭出力:40KW(改2以降)
測定方法:最大感度方式
測距精度:1-2Km、測角精度:2-3゜
機器概要
送信機:発振TR-1501 x2(PP)
受信機:Wスーパー方式(14球)、高周波1段、(UN954x2)、
 混合(UN954)、局発(UN955)、第1中間周波2段(RE-3)、
 第2中間周波数3段(RE-3)
電源:220V交流電源
送信空中線:半波長水平2列4段、受信空中線:半波長水平3列4段


機材銃創


海軍2号2型電波探信儀
Navy Mark 2 Type 2 Radar

本機材は艦船、潜水艦用対水警戒マイクロ波レーダーである。
上記の写真は昭和18年、千葉県太東実験場に設置された
2号2型電探。

設置場所:水上艦船、潜水艦
有効距離:戦艦37Km、駆逐艦17Km
周波数:3,000Mc帯
送信尖頭出力:2KW
測定方法:最大感度方式
測距精度:0.5Km、測角精度:3゜
機器概要
送信機:発振マグネトロンM312
受信機:当初超再生検波方式(検波M60)、中期オートダイン方式
 (発信検波M60)、後期スーパーヘテロダイン方式(改5以降)、
 混合に鉱石使用、局発M60、中間周波5段(UZ6302)
電源:220V交流電源
空中線:電磁ホーン、当初送受個別使用、後期兼用
摘要
展示機材は送信用マグネトロンM312A及び受信機用M60A

受信機用マグネトロンM60A及びマウント、両脇の巻線は励磁用電磁コイル

マウントに装着されたM60A


海軍4号3型電波探信儀
Navy Mark 4 Type 3 Radar

本機材は陸上用探照灯管制レーダーである。上記の写真は長崎県諫早砲台設置の探照灯に装備された4号3型受信機用空中線である。
受信機、選択機は受信空中線装備探照灯下の地下室に設置され、送信機及び150cm探照灯連動操作装置は地上に設置されていた。
当時の諫早砲台には10cm高角砲(最新鋭)1門、25mm機関銃2基、4号3型電探1基、150cm探照灯2基が配備されていた。

写真出典:海軍電測学校卒業の会『栄光の海軍電測士官』
(非売品,1980年8月)p230


機材右が4号3型電探選択機(指示機)、左が電源

設置場所:探照灯に付加
有効距離:編隊30Km、単機20Km
周波数:200MHz帯
送信尖頭出力:13KW
測定方法:等感度方式
測距精度:0.1Km、測角精度:1.5゜
機器概要
送信機:T-311x2 (PP)
受信機:スーパーヘテロダイン方式(12球)、高周波2段、(UN954x2)、混合(UN954)、局発(UN955)、中間周波6段(UZ6302)
電源:220V交流電源
送信空中線:八木型x1、受信空中線:八木型x4


海軍「仮称電波探知機(逆探)」E-27受信機
Navy Radar Detector E-27 Receiver


E-27受信機本体、高周波部の実装は3個であり必要に応じ差し替える、空中線は筐体上面より接続する。

本電波探知機は対空監視用13号電探、水上警戒用2号2型電探と共に海軍艦艇の基本電波兵装で、特に電探の運用に適さない潜水艦にとっては不可欠な機材であった。なお、本機材は80〜400MHzのメートル波を受信するもので、これ以上の周波数帯(センチ波)には対応出来ない。

設置場所: 水上艦艇、潜水艦
受信周波数: 80-400MHz(5バンド、高周波部差替式)
方式: スーパーヘテロダイン、周波数混合UN-955、局部発振UN-955、中間周波増幅5段(UZ-6C6)、検波(UZ-6C6二極管接続)、低周波増幅3段(UZ-6C6)
電源: 交流110V
空中線: ラケット型空中線(指向性)、θ型空中線(無指向性)


機材内部
高周波部以外の構成真空管はUZ-6C6


取り外された高周波部


高周波部内部、右(上部)が周波数混合部、左が局部発振部、真空管は共にUN-955。


E-27受信機電源
構成真空管はKX-5Z3一本


写真は輸送を任務とした「波101型」潜水艦で、艦橋前部、側面にE27受信機用のラケット型空中線(斜めの網条構造物)が確認出来る。
本艦は艦橋前部、左右側面、上部に回転式と、計4機の空中線を装備している。
(写真出典: 「丸」1976年2月特大号、「爆沈の日をまつ"波106潜"よ永遠に」)

「19試空1号電波探信儀12型」
Experimental Model 19 “Ku” Mark 1 Type 12 Radar Set

19試空1号電波探信儀

戦争末期に開発された2座、3座の航空機搭載用索敵レーダーである。
非常に小型で、技術的進歩がみられる。昭和30年代の車載用VHF無線機と比べ遜色がない。

有効距離:艦船130Km、航空機90Km
周波数:150MHz帯
電波形式:パルス
送信尖頭出力:2KW
波形表示:Aスコープ方式
機器概要
送信機:音叉発振FZ064A、波形整形FM2A05Ax2、
 制御出力FZ064A、発振U233 x2(PP)
受信機:スーパーヘテロダイン方式(11球)、高周波2段(UN954)、 混合(UN954)、局
発(UN955)、中間周波5段(FM2A05A)
指示機:波形表示BG-75A、信号増幅ソラ2本
電源:直流変圧器(12V)
空中線:送受共用、前方八木、側方半波長ダイポール
摘要
送信機所蔵なし

左指示機、波形表示はBG-75A、右受信機
左指示機、波形表示はBG-75A、右受信機

受信機フロントエンド部
受信機フロントエンド部、右より高周波1段、2段、周波数混合、真空管はUN-954、縦パネルにエーコン管の装着方法が印刷されている。

受信機裏面局部発振回路、真空管はUN-955

受信機裏面局部発振回路、真空管はUN-955
Experimental Model 19 メKuモ Mark 1 Type 12 Radar Set

19試空1号電波探信儀12型送信機
写真出典: Photo Courtesy of Mr. Robert C. Mikesh